[コメント] 詩季織々(2018/日=中国)
数多の新海誠フォロワーの中でも飛び抜けた出来映え。なんせコミックス・ウェーブ・フィルム制作である。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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とはいえ、公開されてすぐに観たわけではない。「時光代理人」というアニメシリーズが死ぬほど面白くて、これを作った李豪凌(リー・ハオリン)監督の過去作を追う中で観たのだ。新海作品に惚れこんだ監督が、コミックス・ウェーブ・フィルムに何度もオファーして実現した企画である。
1話「陽だまりの朝食」で自転車で走り去ってゆく美少女のイメージ、3話「上海恋」で恋した少女の過去の声を聞くくだりなど、見事に新海アニメのエッキスが出てる。新海汁が出ておる。2話の「小さなファッションショー」だけあんまり新海汁が出てないが、これは日本人の脚本、日本人の監督による一編だった。あんまり露骨にはできなかったんだろうな。
誰の中にも(たぶん)ある新海的感傷を響かせつつも、現代を生きる中国人の物語を描いているのがいい。これをわたくしは「自分の歌を歌っている」と呼ぶ。およそ表現者たる者、お仕着せの企画や借り物の物語ではなく、自分の歌を歌わねば始まらないのである。
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