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[コメント] カセットテープ・ダイアリーズ(2019/英)

やはりスプリングスティーンの音楽にグッとくる世代には、ハマる映画。そこに青春要素とか、時世とかを絡めて。わりと手堅い映画。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







私が洋楽を聞き始めた'84に、ちょうど流行していたアルバム『Born in the U.S.A』からのヒットソングの数々。しゃがれた歌声に、男臭い風貌。「兄貴分」的な印象を感じたが、アメリカの「ボス」なんですね。だからなのか、その次のアルバム『Tunnel of Love』は「軟弱」とか言われてたはず。アルバムジャケットもスーツにタイを結んで、花束持って。

そういえば近ごろ、80'sのヒットソングがいっぱい登場する映画が多い気がする。POPでバラエティに富んでいて、ドラマティック。この映画もスプリングスティーン以外に、冒頭のPet Shop Boysの「It's a sin」とか、Cutting crewとか、割と好きだった音楽も登場する。

そんな歌の良さ、懐かしさにどっぷり浸ってしまえのが、この映画も正しい?見方かもしれない。普段、なんとなく聞いていた洋楽が映画で使用されると、この映画に限らず「歌詞を字幕」で知ることができる。「あぁ、この歌はこんな意味の歌だったんだ」と判るのが結構新鮮だったりする。ちなみにこの映画では、英国の若い世代のスプリングスティーンの見られ方が「古い」印象だった。そして流行歌に塗りつぶされてしまう。先生が「ティファニー(歌手)はクソよ」って言ってたのには笑えた。

もう一つ、当時だけでなく、今も問題になっている「ネオナチ」とかの外国人差別。そういう側面のほうが重要なのかもしれないが。

パキスタン移民の両親をもつジャベド。中でも父親、家長は「絶対」なんですね。厳格な父親が登場する映画は多いが、最後はやや予定調和な気がしました。

家の中では父からの抑圧、外では移民への差別や偏見で苦しみ、ヘッドホンで流行音楽を聴いている時が唯一の安らぎだったんでしょうか。実話を基にしたストーリーですが、学校では理解ある先生やクラスメイト、それにガールフレンドに囲まれていて、ちょっとだけ羨ましい学生生活だ。

主人公の俳優さんは初めて見るのですが、近日公開予定のピクサーアニメ『2分の1の魔法』の主人公の少年にそっくりだと思ったのは私だけ?

(評価:★4)

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