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[コメント] 僕の好きな女の子(2019/日)

一筋縄ではいかない凝った構造を持つ映画だ。井の頭公園の映画なのだけれど、冒頭の奈緒渡辺大知のデート場面、二人に太賀が加わった三人の場面、さらに太賀が退場してからの場面、これらは、いったい同一日の井の頭公園なのか、全然違うのか。いや、そもそも何が真実なのか。
ゑぎ

 奈緒は写真家。渡辺は脚本家。劇中も「虚像」という言葉が印象的に使われるが、二人とも虚像の創造者だ。そもそも総ての映画は(それはノンフィクションであっても)虚像だ。この映画の総ての場面は(それはラストシーン含めて)、実は虚像、あるいは妄想なのかも知れない(というかそうに違いないと私は思う)。

 さて、夜の遊園地のシーン中、光のゲートを歩きながら、アイスクリームを食べるカットで、いきなり登場人物を入れ替え、そこに出演者のテロップが出る。さらにテレビモニター画面となり、友人達と部屋でテレビドラマを見ている、というこのカッティングには驚く。ただし、いかんせん、ドラマの内容がチープ過ぎる。現在の日本のテレビドラマとしても、商品価値があるかねぇ?このドラマも、脚本が売れた、という妄想じゃないの?とか思ってしまうのだ。後輩役の萩原みのりからの詰問シーンは良かったですが。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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