[コメント] 素晴らしい哉人生(1924/米)
冒頭の戦禍の町の人々の困窮ぶりは大戦直後の実写なのだろう。人為によるリアルタイムの惨状を批判しつつ、若いカップルに希望を託すいかにもグリフィスらしい良心作。ヒロインキャロル・デンプスターの健気さもリリアン・ギッシュに勝るとも劣らない。
残念なのは、1920年代のサイレント映画の表現技術は年を追うごとに目覚ましい充実をみせて、その進化のスピードに驚かされるのだが、本作の物語の語り口、撮影技法、編集テクニックは相変わらずの1910年代調で、エンターテインメントとしてはいささか退屈。やはり同時代のF・W・ムルナウ、エルンスト・ルビッチ、エリッヒ・フォン・シュトロハイムらの作品を見てしまうと見劣りする。それもグリフィスらしさ、と言えなくもないですが。
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