[コメント] 星の子(2020/日)
まずは、芦田愛菜の表情が良く、科白が全てとても素直でいい。だから、新音(なべちゃん)のような共感性の高い友達(クラスメート)がいるのだと思わせる。また、教団活動の描写、子供らの純真さと心性の複雑さも面白いし、よく描けている。
こゝで登場する黒木華と高良健吾のカリスマ性の見せ方も上手い。あるいは、アンチテーゼとして、芦田の姉の蒔田彩珠や、伯父の大友康平もいるのだが、もう殆んど悪役といっていい、岡田将生の酷い先生役もよく効いているのだ。
そして、合宿研修で母、原田知世といつまでたっても出会えないサスペンスがいいです。こんな不条理劇をこゝで挿入する必要は、経済的には全くないと思えるが、これがあるからこそ、星空を3人で見るシーンの豊かさ、暖かさを際立たせる。父親、永瀬正敏が時間について言及する通り、このシーンの豊かな時間の使い方も良いと思う。
ただし、ニュートラルな視点で活動を描くこと自体は、私にとっては当たり前のスタンスだと思えるし、クレバーだが、常套。エンディングは落ち着きがいいが、やっぱり、ちょっと、あっけない。
尚、冒頭の乳幼児時代のシーンから、15年後と字幕まで出して、中学時代の描写が始まる。なのに、やゝあって、いきなり小学生のシーンにフラッシュバックする(しかもこゝは字幕なし)、この繋ぎは、私はどうかと思う。私の好みは、あくまでも時系列に繋ぐことですが、時間を錯綜させる構成であっても、15年後という字幕は要らんと思う。大したことじゃないですが。
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