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[コメント] おもかげ(2019/スペイン=仏)

予告編をみて、大筋が『ブリング・ミー・ホーム 尋ね人』にそっくりだったから、もしかしてどっちかがリメイク?とか思ったら、全然違う作品でした。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







予告編のあらすじ→「ある日、幼い息子が行方不明になる。探しても見つからずに年月が過ぎる。そして息子に似た男の子を見つけた母は・・・」というもの。韓国版がサスペンスならば、こちらは「偏愛もの」?。とにかく、まったく別の映画だったが、偶然にしては面白い出来事でした。

私は知らなかったのですが、この映画の冒頭の「失踪シーン」は、2017年制作の同名の短編で、アカデミー賞短編実写映画賞にノミネートされたもので、「その後」を描いたのがこの映画となるようです。

さて、この映画の主人公エレナは、息子が消えたフランスの海岸で働いていて、ある日息子に似た少年に出会う。私たちは失踪した息子に関しての情報が全くないので、彼が息子なのか、そうじゃないのか、よく判らない。しかし、少年には家族がいて、失踪した息子とは無関係なんだろうか?そんなどっちつかづで、見るものは放っておかれる。

エレナはジャンを、ジャンはエレナを求めてゆく。そのことで、二人の周囲の人間は翻弄される。特にジャンの両親は恐ろしかっただろう。そしてエレナの彼氏の「限界だ」も切ない。本来なら大人であるエレナの自制が必要なんだが、「ジャンからの連絡」が理性を壊す。そしてもう、壊れたものは戻らないのだ。

ただ、それを見せられた私は、なんといも言えないような「気持ち悪さ」が残った。とくに最後にエレナが電話をかけた相手に。

映画の宣伝文句で、「息子を失った母親の再生を描く」的な言葉が書かれていたが、どちらかといえば「破壊を描く」印象だった。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ひゅうちゃん[*]

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