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[コメント] 大コメ騒動(2020/日)

米騒動は『日本侠花伝』などで描かれたことがあるが、ここまで本格的なものは始めてなんだろう。本邦のフェミニズム社会劇として抜群の題材で、ユーモア交えた演出が好ましく、井上真央がとてもいい。問題は収束で減点2。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







役所前に新川町長名で「臨時貧民救助規定」告示、規定に該当する者に外米一日に大人三合、子ども二合五勺。女たちはバンザイ。解説者はおかかたちの完全勝利、コメ騒動の責任取って寺内内閣崩壊、家族の命救いたいというおかかたちの思いが時代を変えたと語る収束。

しかし、この外米の輸入先はどうだったのか。「日本政府は朝鮮だけではなく、仏領インドシナ、英領ビルマ、タイなどからも米を買い付け、その量は1919年度には大きく飛躍した。そのため、東南アジア一帯の米価は高騰する。米の輸入は、アジア各国から米を奪う行為となり、あらたにアジアに米騒動を連鎖させることになった。」(「大正デモクラシー」成田龍一)

何も解決していないではないか。本作の収束は正に一国平和主義である。本作の製作委員会には富山市も入っているが、こんな内容で啓発しているのなら問題だろう。

(評価:★2)

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