[コメント] きまじめ楽隊のぼんやり戦争(2020/日)
言いたいことや、やりたいことは重々分かるが、分かりやす過ぎて退屈。エキセントリックな表現で「理屈」を包んだつもりだろうが“魂胆”が裸の王様的に透けて見えて恥ずかしい。役者さんたちは、よく我慢してこんな幼稚なロボット芝居に付き合ったもんだと驚く。
思考と判断を奪われた世界の人たちの話だ。感情を奪われた世界を再現するのに、役者から“感情”すなわち“芝居”を奪ってしまうというのは、あまりにも幼稚な発想。案の定、感情を奪われた映画からは「丸裸の理屈」しか伝わってこず、ギャグとして楽しくもなく、ブラックな風刺としての恐さも皆無。
強いてもの救いは、監督の演出を無視したのか、監督の言ったことができなかったのか、はたまた(あり得ないと思うが)監督が戦略的に好きに芝居をさせたのか、感情の起伏を微かに残していた片桐はいりさんときたろうさんの存在。
二人がいなかったらこの映画は悲惨なことになっていたと思う。★三つの評価は、すべてお二人の役者としての矜持に。
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