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[コメント] 二人の銀座(1967/日)

タイトル/クレジットバックは、ネガ反転しているのかと思うぐらい、ハイコントラストな白黒画面での演奏シーン。和泉雅子の可愛らしいダンスといい、結局こゝが一番良かったかもしれない。
ゑぎ

 全編に亘って、主題歌が様々にアレンジされて使われるが、和泉が加わった歌唱バージョンは、何度も聞かされると、プロらしくない、舌ったらずな歌い方で正直辟易してくる。それに、この映画の和泉は、全然綺麗に撮られていないと思う。なんかアップに耐えないのだ(勿論、彼女が綺麗に撮られている映画は他に沢山ある)。

 だいたい、全体に寄り過ぎのアップの多い映画だ。山内賢と和泉の主演者二人は仕方がないとして(山内は綺麗)、尾藤イサオのアップは、どうにかして欲しい。勘弁してください、と思いながら見た。中盤で、バンド仲間4人(山内、和田浩治杉山元木下雅弘)が、港をバックに、太平洋の真ん中で演奏できたらなぁとかなんとか云う場面でも、一人一人のアップショットを繋ぐのだが、こゝは良かったと思う。あるいは、ラストは和泉の姉役−小林哲子と、元恋人の新田昌玄のカップルも、アップカットの連打になりテンションが下がった。アップの前の、高い俯瞰ショットはとても良かったのに。

 さて、開巻は、日比谷公園の公衆電話。こゝで、鳩からの素早いズームアウト、和泉がタクシーに乗るショットはズームイン。続いて銀座の街頭をグルンと円を描くようなパンとティルトを見せるので、どうなることかと思ったが、全体にカメラワークは落ち着いていく。和泉と山内が街を二人で歩くシーンはゲリラ撮影だと思うが、かなり寄ったツーショットで、銀座の通行人のカメラ目線が排除されていて、良いと思った。あと、和泉がドレスを身体にあてて、夢想し始める、純粋な、ミュージカルシーンがある。「踊りたいわ」という歌。これは取ってつけたような場面だし、バニーガール3人が後ろで踊る演出もイマイチだと思う。

 そして、ラスト近くのフェスティバルのシーン。ミッキー安川が司会。こゝでもブルーコメッツ(前半から何度も歌唱シーンがある。ツナキが若い!)が見せ場を繋ぎ、山内の演奏前の挨拶で、重大な告白をし、客席の和泉を舞台に上げるのだ。この二人のヒットナンバーなんだから仕方がないけれど、上げない方がいいのになぁ、と思いながら見ていたら、演奏シーンでは、凄い露光オーバーのショットがあって、冒頭タイトルバックを想起させた。この感覚はいいと思った。

#備忘でその他の配役等について記述。

・ジャズ喫茶「ハイティーン」の支配人は片山明彦。その厳しさと大人の事情で動く一貫性がいい。プロットを支配する。好演。

・和泉の友人は伊藤るり子。和泉と一緒に小林の元恋人を捜してくれる。

・和田浩治の父親−金原亭馬の助。ガレージでバンド練習中に怒鳴り込んで来る。

・川崎のキャバレー「風車」を教えてくれたのは、月の家円鏡。「うちのせつ子」を連発。ウケる山内と和泉。

(評価:★3)

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