[コメント] クルエラ(2021/米)
強引だが素直な向上心が憎めない“個性と境遇”が生んだプチ悪女エマ・ストーン。W・アレン作品以来ここ数年、絶好調で敵なしの感。立ちはだかる冷淡の権化オバサンエマ・トンプソン(喋り方がサッチャーそっくり)の怪演がさらに彼女の可愛さを引立てる。
ロンドンの重たい曇天のもと槍玉に挙がるのは、個性、自由、才能の芽を摘みとる凡庸な“ことなかれ権威主義”と、人の夢、能力、将来を食い物にするやりがい搾取の“空疎な虚飾権威主義”。因縁話の行く末も納得の王道エンタメでとても楽しかったです。
ストーンズに始まってストーンズに終わる選曲も好みでしたが、なんだか音量控えめでノリが悪く物語の推進力としては馬力不足。アクションも編集のせいでしょうかキレがいまひとつ。羽目の外し方も中途半端でカタルシスが足りないのが残念。もっとケレン味があって好いと思うのですが、どこか演出が控えめで行儀が良いのはディズニー仕様のせいでしょうか。
子供時代のエステラ(クルエラ)も可愛らしい。ティッパー・ザイフェルト=クリーブランドという長い名前の子役さんだそうです。
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