[コメント] フリー・ガイ(2021/米)
キスの映画。キスシーンが3回。やはり1回目の海の夜景バックのカットが綺麗だ。2回目のキスを起点として展開する作劇は安易だと思う。3回目のキスを導く、ミリーの気付きの演出も、あざといと思うが、それでもこゝは感動する。キスの瞬間の暗転もいい。
ガイ−ライアン・レイノルズは、ほゞ汎用人工知能のレベルと思われるが、シンギュラリティについては良くも悪くも描かれない。というより、彼のディープラーニングの対象は、主に愛(というか片思い)なのだ。さらに、恋愛を超越し、博愛というか、利他的な志向に及ぶ。多分に牧歌的な世界観だと思う。もともと、ミリー−ジョディ・カマーとキーズ−ジョー・キーリーの志向性が牧歌的なのだから、ということで納得できるよう作られている。金儲けよりも、コードの美しさ、金儲けよりも誇り、あるいは愛(片思い)、というべきか。
終盤のNPC(モブキャラ)を集めてのアジテーション、こういうアメリカ映画によく見かける、共感性昂進シーンが苦手だ。ただし、こゝで、さらりと銃規制についての姿勢も表明している(リアルとの比較の列挙の中で)。警備員バディのガンベルトについての演出においても指摘できるかもしれない。
ワタクシ的には、Dudeの、まだ半分しか脳が無い、という設定から来るセリフが、イチイチ可笑しかった。また、タイカ・ワイティティの悪役としての造型は、イマイチだと思った。
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