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[コメント] 護られなかった者たちへ(2021/日)

佐藤健の熱演には心を打つものがあった。世をすねたような人相の悪さの裏には何があったのか、ラストの独白には納得させるものがあった。また清原果耶も好演しているし、阿部寛はいつもの彼で安定している。
シーチキン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ミステリーとしては平凡かもしれない。それでも、いま私たちが住んでいる国は、実は苛酷な圧制の下で、民が見殺しにされるようなものであることを、鋭くえぐる勇気には敬服する。

劇中、震災で、地震や津波で亡くなる人たちは理不尽な死だが、飢えて死ぬ者はそうではなく、自分のせいだろうと言い放つかのような台詞があった。

そういう国に私たちは住んでいるからこそ、声をあげようという製作者のメッセージは、真っ当で、貴重なものだと思う。

2011年3月11日の東日本大震災から10年がたった。本作を観て、あの日、私は大津波で暗闇に覆われた現地の映像をテレビ越しに見ることしかできなった。それでも、まるでこの世の終わりを迎えたような無力感で茫然自失となったことを思い出した。その時に、身近にいる人たちから、できることをやろうと声をかけられ、励ましあいながら、自分にできることができたことを思い出した。

声をあげるのは、勇気もいるだろうが、本当に必要で、大切なことだと思う。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)クワドラAS[*]

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