[コメント] スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム(2021/米)
トム・ホランドのスパイダーマンは基本が若者対象の物語なので、サム・ライミ版もアメイジングも欠かさず見てきた人向けの題材と不整合を起こしている。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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誰を対象にした映画なんだろうというのが見終わっての一番の感想だった。トム・ホランドのスパイダーマンしか知らなかった層には、旧世代大集合は面白かったのか疑問だし、旧世代を知る世代には内容の深掘りの浅さが物足りないという感想になったのではないか。
後者世代の一人としての私の感想は、アイデンティティ喪失の物語をもっと深めてもよかったなあというもの。
ピーター・パーカーは、人々の記憶から失われ、世界からアイデンティティを喪失する。しかしながら本人の記憶はあるので、アイデンティティって何?というところを掘り下げて欲しかった。
人々の記憶を失った「ピーター・パーカー3(とします)」は、スパイダーマンであることに自らのアイデンティティを集約していくのだが、スパイダーマンはマルチバース上のどのスパイダーマンも同じような行動を取るために、それは個人ピーター・パーカー3のアイデンティティの喪失を意味する。人々の記憶を失ったことで社会的にアイデンティティを喪失したピーター・パーカー3は、自ら意識的に個人としてのアイデンティティも棄捨する選択を行う。ピーター・パーカー3は、自ら進んでアノニマスになったのだ。
それがヒーローのあかしなんだってストーリーは、個は会社や国の看板に殉ぜよって感じに思えてしまって素直に受け入れる気にならないんだよなあ。
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