[コメント] HANA-BI(1997/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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二人の刑事。彼らは余りにも似ている。 堀部は逃げられた家族に悲しみを持つ。 それは移り変わる絵にとてもよく現れている。 初めは不可解な絵。それは混乱した彼がシンプルな絵の中に描いた一握りの、ささやかな花を無理やりにも入れようとする(僕の予想だが)。 次に家族があらわれる絵。そこには家族が恋しくてならないという感情が込められている。 そして桜の絵、及び雪の絵。どうしようもないくらい哀しくて自殺願望が強くなる。 そして最後の羽がもぎれた絵。「何か大切な一つを失ったんだよ!」しかし、羽が例え一つなくなっても、死んではならない。 なぜなら、彼には皮肉にも生きるために西から絵の具を頂いたから。 ここで自殺しようものなら、それは西を裏切ることになる。
西も同じである。 彼は死んでもよかったのだ。しかし、死ぬことはできなかった。 彼には生きる妻がいた。 そのために悲しいかな、借金、銀行強盗、殺人、余りにも悲しい犠牲を払った。 しかし、死ねない。 そして最後を飾ったのは妻のあのセリフ 「ありがとう。ごめんね。」 「馬鹿やろう、遅いんだよ!」っと自分ならつっこみたくなるが それが部下のセリフにも表れている。 つまり「自分にはあんな生き方できないな」である。
まあ、自分なりの解釈です。
北野さんの作品はいかにもカンヌってかんじですね。 でも僕は好きなのでこの点数。 北野さんの作品は「HANA-BI」で初めて見ました。 まだ見ぬ、北野さんの他の作品に期待したいです。
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