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[コメント] シン・仮面ライダー(2023/日)

新解釈部分は概ね納得がいった。庵野にしては考察の余地もない程完璧な物語。次から次へと出てくる敵オーグとの連戦は贅沢。惜しむらくは、ショッカーライダーたちとのバトルが昼間ではなかったこと。とにかく暗い。黄色いマフラーは見てとれた分、余計に残念だ。
IN4MATION

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







説明パートをセリフに凝縮するスタイルはシンゴジラでも同様。そのため浜辺美波は前半ほぼ無表情の棒演技。もともと演技派の女優ではないのでそれは別にいい。

ショッカーの目的が従来の世界征服という子供じみたものではなく、持続可能な幸福の追求に変わり、その構成員の幹部たちは各々が考えた幸福理論を各自追求しており、あくまでも個の集合体がショッカーという組織である、という設定もすんなりと腑に落ちる。

悪の組織にも多様性の波は押し寄せているようだ。

ライダーゆえにバイクに乗るシーンがそこそこ多いのも高評価。

手ブレや細かすぎるカット割のせいでバトルの最中なにをやっているのかわからないことも多いが、海外のアクション映画にもそれは言えることでギリ許容範囲。

VFXはようやく使いこなせてきた感。まだまだハリウッドには敵わないが。

個人的には少なくともこれまでのリメイク作品(『』や『FIRST』・『NEXT』など)よりもおもしろかった。

基本的に古くからのライダーファンはライダーが画面に出ていれば満足なのだ、と思っている。要するに躍動する仮面ライダーフィギュアを観たいのである。

平成以降のライダーは、変身前のイケメン演者たちも数字を持っているらしいが、昭和ライダーは演者の顔なんて正直どうでもいい。

常に「早く変身してくれ」と願っているし、なんならずっとライダー出ずっぱりだって構わないと思っている筈だ。

本作はその点において及第点である。ちょこちょこ仮面を脱着して中の人が顔を出すがボディはライダーのまま、という変な絵も見せつけてくれる。

こんなにライダー出てるのに不満な人ってライダー映画になに期待してんだ?って思う。実はライダーのファンでもなんでもないだろ?とも思う。

ライダーたちの造形、特にマスクのギミックも、バイクの変形も大人心をくすぐる。

初代1号と2号というライダーそのものでオールドファンを取り込み、ライト層・若年層はキャスティングと血糊多めのバトルで集客、いや完璧なビジネスモデルじゃないか。なんで失敗したんだ? 笑

フィギュアなどの立体物でさらなる収益も見込まれる。

興行成績は振るわなくても、ライダー市場を賑わせる力はあった、と個人的には思う。

ちなみにリアタイではストロンガー世代だけれど、「ライダー全員集合」の回や再放送、何度かあったリメイク、立体造形などで推しは1号、2号だと自覚した。

シンプルでいいよね、1号、2号。

(評価:★5)

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