コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 雲霧仁左衛門(1978/日)

私、分かるんですよ。確かに原作を読むと、尾張藩が将軍職に執心していたことがね。強く印象に残ってます。しかし、それをこういう形で持って来るとは―。申し訳ないけど、これはダメでしょうね。
KEI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「雲霧仁左衛門」は、用意周到に鮮やかな盗みをする盗賊の一味を描くもので、武士の時代劇ではないのです。

映画製作者もいろいろな所から要望があったのでしょう。見せ場を作れとか、チャンバラがなくてどうするんだとか。又好きなように料理していいと原作者から言われて、ホン屋として燃えたのかもしれない。

しかし、出来上がったものは、中途半端な話の集まりに成り下がってしまった。原作ファンに大目玉を喰らうのは必定でしょう。

岩下志麻がもう少し肉付きがある方が、原作の妖艶さが出たかと思うけど、―いやいや彼女始め出演者に関しては何も言うまい。皆、一生懸命の熱演でした.

もう1つ褒めたいのは音楽。テーマ曲を木琴、ピアノ、ヴァイオリン、オーケストラとシーンに合わせて演奏している。特に、千代と六之助の2人だけのシーン。姐さん千代を本当は慕う若い六之助の高揚した弾んだ心を、木琴が見事に表現した。映画音楽ベスト30に入る出来だった。

PS NHKで、ドラマ化された―2013年 主演:中井貴一。これは傑作でした。盗みと駆引きに特化して原作以上(!)と思う。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。