[コメント] 土を喰らう十二ヵ月(2022/日)
妻と死別した男は正しく年を取れなくなっている。沢田の老いの容貌は声の張りと釣り合わず、大友克洋マンガの老人のように年齢不詳である。時が止まっているから人も物も朽ちることはなく、沢田の山荘と奈良岡朋子の山小屋はセットのように生活感がない。
挙措の全てが媚び媚びしい松たか子のプロ精神は、去勢された男の気色の悪さをブーストし、尾美としのりをあんまりな誇張に至らしめる。とうぜん作家と編集者の関係性は不穏極まりなく、老犬だけが無為自然で救われる。
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