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[コメント] 最後まで行く(2014/韓国)

大山鳴動して鼠一匹の奥行きのなさが残念だが、コーエン嫡流的なノワールコメディとしては十分以上に面白い。即ち運命(プロット)に嗤われる主人公。あたふたと情けなくエネルギーを発散する人間のおかしさ。爆笑ポイント多数。
DSCH

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棺桶の中で鳴る携帯電話(ショスタコのジャズ組曲。もともと好きな曲)と、「母さん、すぐ戻ってくるからね・・・!(突っ伏して泣く)」「何て孝行息子なんだ」の不謹慎コントで爆笑。懲りないラストも笑える。

ショスタコが好きならキューブリックも好きだろう、キューブリックが好きならコーエンも好きだろう、その感性を韓国で料理したらこうなるだろうという感じで、アイデア、オマージュ、エネルギーを楽しめる。排気口のくだりは『ノーカントリー』、ドア越しの攻防は言うまでもなく『シャイニング』ですね(やっぱり愛されてるんだなあと感じる)。随所に入る変なくすぐりも楽しい。葬儀屋と守衛のおじさんの間の、鍵をボウリングの要領で床を滑らせて渡すやりとり。爆死したかと思われた手負のパクが主人公の家に突撃して何をするかと思えば、「つかれた」とでも言わんばかりの風情で、ふらふらと、とりあえず小便(オフスクリーン処理)。

死体の体内から金庫の鍵を探り当てるくだりは、『ブルータル・ジャスティス』くらいえげつない描写を見たかったかな。

十字架の挿入や「神はいつでも見守っています」という台詞が棘のように残るところがあるが、うるさくはない。

日本版は未見。

(評価:★4)

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