[コメント] 十字砲火(1947/米)
巻頭の影が蠢く凶行から現場検証で一気に引き込んだ後はむしろ単調な会話劇なのだが、殺人現場、水兵が集うホテルの相部屋、机ひとつの取調室、深夜のカウンターバー、孤独な酌婦のアパート、身を潜める映画館、共同洗面所と次々に現れる「部屋」が物語を推進する。
ポイントは、場所(シーン)が変わるたびに律儀に繰り返し描かれる「扉を開けて入る」という行為。そんな単純でさりげないアクションが、隠し味のように映画のリズムとして機能している。
移民や人種への差別という主題が、映画公開から70年たった今でも普遍だということこそが“人の罪”。
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