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[コメント] 裁きは終りぬ(1950/仏)

リアルな裁判劇。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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まあ最初に感想を言ってしまうと、結構がっかりした。と言うのは最後の最後まで娯楽性たっぷりのどんでん返しみたいなのを期待していたから。だから「裁きは終わりぬ」とラストの言葉の後、それはないんじゃあないかなという気がした。はっきりしてくれよと思ったがやっぱりそこが狙いだったのかもしれない。

映画ならこの後何かが起こるはず・・・。そんな期待は見事に裏切られ後味の悪さが残りました。あと7人の裁判以外の描写はかなり分かりづらかった。でも裁判を考える契機にはなった。

裁判制度。陪審制度。物語中の言葉のように、わずか数時間で他人の人格をつかみ白黒裁く制度。本当に被告=他人の意思などわかるはずもない。しかも陪審員全てが任意に選ばれ、中には私生活の影響を審判に反映させる者や考えが浅い者もいる。

だから世界中の何千何万という(まともな)裁判の中には誤審だって本当は存在するはずである。人が人を裁くことなど不可能な場合もあり得るだろう。

陪審はこの映画では7人。一人にかかる責任はとてつもなく大きい。一人の人間の意見が一人の人間の人生を操り、時に狂わす。まるで独裁者のように人間の運命を左右する。

「その猿は一人の悪い人の無意味ないたずらにより盲目になりました。」>ちょっと違うけどある小説からの引用。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)モモ★ラッチ[*]

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