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[コメント] 白鍵と黒鍵の間に(2023/日)

「わぁ!ジャズっていいな!」「音楽って素晴らしい!」と思えるようだったら、もうちょっといい映画になった気がする。
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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う〜ん……何がノレない理由だったんだろう?

この手の「一晩の物語」といった時間制約物って、書き手は書いてて面白いんですよ。ただ、観てる方はそれほど面白くない。あと、南だか博だか、南だか和也だか達也だか、池松壮亮が二役しますね。正確には三役のような気もしますし、一役のような気もしますが、この手の曖昧さというか入り組んだ構成は、書いてて楽しいと思うんです。でも、観ている方はそれほど楽しくない。

そういう曖昧さというか時空の歪みみたいな構成が(結果として)肝なのに、この映画は冒頭で「1988年」って字幕を出すんですよね。「1988年(昭和63年)年末の銀座」と舞台設定を明確にしてしまう。だったら、「昔々ある所に」の方が良かったんじゃないの?ま、それが面白くなかった(あ、ハッキリ言っちゃった)原因ではないんですけど。だいたいこの1週間後に昭和が終わるんですよ。何か意味がありそうに思うじゃない?その間に誘拐殺人事件も発生するし(<『64(ロクヨン)』の話をしています)。

「白鍵と黒鍵の間」に時代の狭間を重ねたというなら……いや、そうは見えないな。せいぜいビルの狭間だったな。

結局、一晩の物語も、入り組んだ構成も、「誰の気持ちで観りゃいいのさ?」ってことになるんじゃないかなあ?それがノレない理由だったのかもしれません。少なくとも私には。

(2023.10.09 テアトル新宿にて鑑賞)

(評価:★2)

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