[コメント] イコライザー THE FINAL(2023/米)
まず冒頭シーケンスにおけるデンゼル・ワシントンの登場の見せ方がいい。逆光で頭頂が光るショット。おゝ、のっけから、ロバート・リチャードソンの刻印だ!左の男が近過ぎる。9秒。電光石火のアクション。このケレン味。
ファーストショットは、シチリア島のブドウ農園のドローン空撮だが、大方の舞台となるアルモンテの町の導入ショットも同様にドローン空撮で、その他、全編に亘って、このような叙事的な俯瞰ショットが何度も出てくる。私はこれには、ちょっと飽きが来た(またか、と感じられた)。
冒頭含めてワシントンの驚異的な仕事人シーケンスは3回だが、私は2回目のレストランから夜の路上へ続く殺戮の描写には陶然となった。やはり、こゝが、全編でも最も強烈な演出だろう。3回目、ボスのヴィンセント−アンドレア・スカルドゥッツィオの邸宅襲撃場面は、どうしても2回目の路上シーンの昂奮には届かないのだ。ステンドガラスの天井や彫像のある部屋の見せ方は頑張っているが、これらもシーンを盛り上げる賑やかしに過ぎなく感じられてしまう。云っても詮無いが、ワシントンがどうしたって負けるはずが無いことを自明と思いながら見させられる冗長さが助長されているとも感じた。
また、ラングレー(CIA)内の後退移動ショットで登場するダコタ・ファニング−コリンズに関連するシーンも概ね良好と思う。彼女が爆弾で吹っ飛ばされるシーンの見せ方も本作の最も良い部分だろう。常に平然(あるいは毅然)としている佇まいが良いと思う。惜しむらくは、彼女に格闘アクションの見せ場が無かったことか、とも感じたが、これはこれで良い措置にも思えてくる。
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