[コメント] 宇宙探索編集部(2021/中国)
思わず吹き出し笑ってしまう冒頭の逸話の巧みなショットの積み重ねに新鋭コン・ダーシャン監督の非凡さを感じた。主人公は、政治にも経済にも文化にも、さらに科学にすら背を向けて一心に宇宙人を探して人里(人間界)を後にし「真理」を求めて突き進み続ける。
確かに「真理」の前では、国家対立も、気候変動も、武力紛争も、政治闘争も、文化や科学や学問の葛藤だって、人間が作り出す世の中の出来事なんてすべて雑事でしかないのだ。
映画が終わてみれば、それがこの物語の主題だったことに、冒頭のコメディパートに続くタイトルロールを思い出してみると気づく。その背景映像には、すべての時代のさまざまな世界に噴出した愚かな人間による禍々しい「出来事」がつづられていたではないか。
呆けているようで実に巧み。バカがつくほど真面目なカリカチュア映画。
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