[コメント] 哀れなるものたち(2023/英)
自殺の末に神ではなく人為によて新たに命を得た人間ベラ(エマ・ストーン)の成長譚。つき詰めれば「欲望の全肯定」であり反宗教的な世界観によるルールの作り直しなのだろう。その末に到達した反動的ですらある人間至上主義による生命/自然界支配の不気味なこと。
さてこの異様な世界観はヨルゴス・ランティモスによる「今」への警鐘と理解すべきなのでしょう。
『女王陛下のお気に入り』には全然のれませんでしたが、現実世界に潜む不気味と危うさをいけしゃあしゃあとシニカルに描いた『ロブスター』や『聖なる鹿殺し』のランティモスの復活がうれしいです。2000年以降の「今」を映像化するにあたって欠かせない映画作家だと思います。
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