[コメント] 居酒屋(1956/仏=伊)
成瀬の企画を黒澤が撮ったような作品。丹精な美術がとても贅沢。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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綿密なカット割りで攻めて、クライマックスの旦那発狂の件をワンカットで決めるのが素晴らしい。ルーブルで自由の女神を見上げさせずに模写で示す暗喩や、数の足りないヘアピンなど、映画的な処理の数々が物語をふくよかにしている。洗濯場の乱闘や旦那に泥水呑ませる件など、全く黒澤調だ。
何より印象的なマリア・シェルについては、画面のどの位置に立っているのか熟知していると凸ちゃんが誉めていたものだった。「私の清らかなところは行ってしまった」とは何とも切ない。教訓を得るのは筋違いだが、もっと早くにテーブルひっくり返すべきだったんだよなあ。現代では女はみんなすぐキレるが(偏見だ)、こういう不幸に合わないためには必要である、全く。
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