[コメント] ゴーストバスターズ/フローズン・サマー(2024/米=カナダ=英)
前作以降、ウォルフハードは『僕らの世界が交わるまで』(ジェシー・アイゼンバーグ監督作)で順調な成長ぶりを見せてくれていたが、マッケナ・グレイスはどうだろうか、なんかヒネたところのあるハイティーンになっていたらイヤだなと思っていたのだが、多分15歳役という、彼女の実年齢よりは少し下のキャラクターを演じているのだが、まだ十分に子役っぽさ残した可愛らしさ。やっぱり本作も、マッケナ・グレイスを愛でる映画でした。もうそれ以上でも以下でも無い、というのがまずは全体的な感想だ。
さて、舞台はオクラホマのスモールタウンからNYに移り、いよいよホームグラウンドに帰ったという感がするが、ところが、逆に既視感(それは本シリーズのみならず、スパイダーマンなど他のシリーズも含めた、ありきたりな背景の感覚)のある活劇になってしまっているようにも感じてしまう。ま、全体にCGが安っぽいというのが、そんな感覚にさせられる一番の要因だろう(勿論、本作でもニューヨーク公共図書館を主な舞台とするシーンはとても懐かしいけれど)。
また、タイトルにある「フローズン」がほとんど腰砕けと云っていい描き方で、プロット上も機能させないし、画面造型としても面白味のないものだ。これも、ちょっとがっかりさせられる。しかし、このシリーズはこれでいいのだ、という諦めに近い脱力を感じておくべきなのかもしれない。あらゆる意味でタイトな作りを期待するのは野暮、と云うべきシリーズだろう。あと、車(ECTO−1)から張り出した、プロトン銃の銃座の活用が冒頭だけ、というのもワタクシ的には寂しい。
旧シリーズからのメンバーであるダン・エイクロイド、アーニー・ハドソン、アニー・ポッツ、そしてビル・マーレイは、ある意味想定通りのリスペクトを感じさせる良い役回りだし、前作でウォルフハードが一目惚れしたラッキー−セレスト・オコナーと、マッケナ・グレイスの唯一の友人役ポッドキャスト君−ローガン・キムも継続投入されている。ラッキーについては前作の方が良かったと思ったが、本作でもポッドキャスト君のキャラは面白いと思う。
あと、本作で一番良いと思った場面は、実は夜の公園(セントラルパーク?)で、マッケナ・グレイスが独りチェスをし始めるシーンだ。駒が勝手に動く。この場面のグレイスの泰然としたレスポンスがとてもいいのだ。それと、こゝで登場するメロディという役名の女優は、絶対にどこか(過去作)で見たと思ったが、『ドクター・スリープ』でスネークバイトをやっていたエミリー・アリン・リンドでした。役柄の関係で、きちんとフルショットで映らないのが可哀想だが、ちょっと16歳には見えない気だるいキャラ造型がいいと思った。この女優に再見できたのは収穫だ。彼女の今後にも期待したい。
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