[コメント] 帰ってきた あぶない刑事(2024/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
特にTVシリーズのファンとして、過去劇場版はそれを上回ってくる面白さは正直なかった。80年代と言えば所謂「軽薄短小」の時代。そんな中、このあぶない刑事は主人公二人の軽妙かつちょっとふざけたやり取りが、またどこか惚けた近藤課長や町田・かおる・ナカさん・パパらを巻き込んで絶妙な空気感を出しながら時にムーディー、時にシリアスな側面も見せる展開があったり(クローズアップされるのがタカ&ユージだけじゃなく松村課長だったり近藤課長だったりかおるだったりするのも人物像に奥行き出て面白かった)小1時間でお腹いっぱいな正に時代に則した作品だった。だから、倍の尺でやるとその良さが大味と言うか薄まってしまってた。話的に横浜を逸脱して日本全土とかワールドワイド(重厚長大)には中々出来ないし向いてないと思うしね。
あぶデカは音楽面も大好きで、本作は新旧楽曲(旧はアレンジバージョン)のバランスがいい塩梅でスクリーンに華を添えていた。私的な事で「関係ないね!」って言われるだろうけど(笑)、、、遠いあの日、、、童貞喪失伊豆ドライブデートの行き帰りであぶデカのサントラを繰り返し聴いてたのはとても懐かしい思い出。
まあでも本作は土屋太鳳のいい感じの溶け込み具合を筆頭に配役が全てカッチリはまってたと思う。かおるの妖怪オババ化は浮きまくりながらも嫌いじゃないし(けどTVシリーズ初期の頃が好み)、町田の楽しさを隠せない演技もあぶ刑事印十二分だった。また「探偵」という身分での進行が銃を所持してなかったり(それを生かした前半のダンスホールでの攻防はナイス!)、事務所の生活感やお洒落感だったりが他の作品との良い差別化になってる。だからラストお墨付きをもらって(笑)のコンテナヤードでの銃ぶっぱなしも映えるんだよね。劇場版としてオレ的には1番良かった。(細かいところを言えばロケ地は概ね良かったけど福冨町を出したなら伊勢佐木町も描いて欲しかったかな あと、日本大通りでのスピンターンとか往年の撮影が出来ない現状に↓) そして何よりもタカ&ユージ、二人とも加齢が良い方向に出てたと思う。昔よりちょっと落ち着いて無謀さの中に哀愁もほんの少し感じさせて。でもユーモアは忘れないというね(ラスト、わかっちゃいるけど「え?彩夏!?」「帰ってきたぁ!?」って部屋から顔出すお茶目な二人には笑った)。劇中、彩夏が「お父さん、どっちでもいいな」みたいな事言ってたけど、ホント、甲乙つけがたい愛すべきイケオジ(年齢的にはイケジイの域)っぷりだった。
「リターンズ」→「フォーエバー」→「まだまだ」→「さらば」→「帰ってきた」、、、っておいおいどーなってんだに対しては「what?」でいいと思う(笑) それがあぶデカのセオリーに左右されない強さだとも。
2年後は40周年か。すごいなマジで。TVシリーズが始まった時はランドマークタワーやインターコンチはおろかベイブリッジも建設中で、1番のシンボルはマリンタワーだった時代。そんなヨコハマの変遷を並走・活写してきたとも言える「あぶない刑事」。感慨深い。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。