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[コメント] ツイスターズ(2024/米)

草原のローアングル。やっぱり『ミナリ』の監督だと思う。冒頭はメインのプロット(時間軸)の5年前。こゝで、ハンディビデオカメラで撮影された体(てい)の映像が挿入されるのだが、これ、揺れ過ぎていて違和感がある。
ゑぎ

 同様のシェイキーなビデオ動画はメインのプロットにもあり、一つは竜巻カウボーイ(トルネード・ラングラー)と呼ばれるタイラー−グレン・パウエルの仲間たちが撮った配信サイト向け動画。もう一つが、主人公ケイト−デイジー・エドガー=ジョーンズが実家の牧場へ戻って納屋に入るシーン。フラッシュバックのように、昔撮られたビデオ映像が挿入される。

 時間が5年後に飛ぶとNY。この部分は僅少で、すぐにオクラホマの田舎が舞台となる。NYの場面は、トラウマを抱え、ひっそりとした生活をしている主人公が再起するモチーフ。しかし、苦悩はサラッとしか描かれない。このモチーフも、中盤にもう一度出てくる。実家に戻ったケイトの元にタイラーが現れ、いつまでも過去を引きずっているケイトを叱咤した後、こゝもケイトは、あっさりと再起する。このカラッとしたキャラ造型は淡白で深みに欠けると思う一方、活劇のテンションを妨げない効果もあるし、デイジー・エドガー=ジョーンズのルックスともよくマッチしていて、非常に魅力的なのだ。これからしばらくは、この人の時代になるのではないか、と思われるぐらいだ。

 さて、本作も勿論、人が吹っ飛ぶ映画だ。あるいは、吹っ飛ばされないように何かにしがみつく映画と云うべきか。人だけではなく、物を吹き飛ばされないように固定する映画でもある。トルネードのシーンでは、冒頭が初っ端ということもあり、主人公が裂傷を負うこともあって、最も強烈に感じた。クライマックスについては、石油施設の爆発は取って付けたようだが、エル・レノの町での給水塔の倒壊シーンがいいと思った。また、多くの人が避難する場所を映画館に設定しているところが嬉しい。上映されている映画が『フランケンシュタイン』というのは奇っ怪に思ったけれど、スクリーンが飛ばされる絵面にはニヤけてしまった。だが、人の固定と、固定された物が外れそうになるスリルの描写が極まった場面になっている。

 また、固定ということでは、エピローグというか最終盤の演出はふるっている。物の固定と登場人物の固定(移動できなくなる状況)が洒脱に描かれていて、ラストでポイントを上げる上手い構成だ。しかも、これがラブシーンにならずとも、きちんと感情が伝わって来、行く末が想像できる演出になっているのがいい。良く出来ている。

#本作でも、『オズの魔法使』へのオマージュは濃厚。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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