[コメント] マミー(2024/日)
あれからもう26年たったんですね。本人否認、動機不明、曖昧な目撃証言と間接証拠だけ。当時、もし自分がこんな状況で逮捕起訴されたら怖いなと強烈な違和感を抱いたのを覚えています。今では逮捕の“根拠”がこんなにボロボロになってるなんて知りませんでした。
今年(2024)公開の飯塚事件を扱った『正義の行方』でも目撃情報の曖昧さとDNA鑑定の恣意性が指摘されていましたが、今回も目撃証言の合理性の欠如や犯行に使わっれたヒ素の鑑定の出鱈目さに驚かされます。客観的なはずの科学的鑑定に忖度や過剰な自信による恣意性が入り込む“人の弱さ”が恐ろしい。
ときおり挿入されるフォトジェニックな画の多様に冤罪捜査、裁判制度、メディアスクラム、大衆の暴走etc・・・どの課題に向けて作られているのかの基本戦略が定まらず、必然として取るべき戦術としての演出に無意識に作り手の自意識が漏れ出しているように感じました。
それはそれで“迷い”という作品の味でドキュメンタリー映画として致命的な瑕疵だとは思いません。作者の迷走ぶりが正直に露呈する“話のオチ”が一番面白く、ある意味「作家映画」になっているのがその証。
あと、突然、元朝日新聞記者の峯村健司さんが出て来たのには驚きました。この人はいろいろなところでやらかしているんですね。
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