[コメント] インフィニティ・プール(2023/カナダ)
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美しい海に囲まれた碧と白のコントラストが眩しいとある孤島のリゾート。だが、何故かその周囲は鉄条網で覆われ、スタッフはキモいお面でおもてなしという相反する禍々しさが猥雑な期待を増幅させてくれる。 更には旅行者特権でクローンを利用した犯罪放免制度があるという突飛な設定。
自分はクローンなのか否かの葛藤とか、散々甚振られた末の主人公の反撃やら、刺激を貰って新作に着手とかは一切なく、ただただひたすら制度を利用した背徳ってなんですかぁ!?なプレイに終始。ミア・ゴス(Sっぷり&手◯キ良し!)率いるセレブ御一行も、その餌食となったどん詰まりの作家(こちらもMっぷり&崩壊具合良し!)も、結局は楽しんじゃってる常軌を逸した多幸感。でもその多幸感の両者での針の振れ幅がまた辛辣で上手い。帰りのバスの中でセレブ御一行は明日からの仕事の話やらで完璧にオン/オフをわきまえてた。この律儀な異常性を前にして主人公は放心ガンギマリ状態。妻が言ってたまさに「ゴミ箱に捨てられた死んだカニみたいな目」(この例えは面白かった) 雨季が来て閉業したリゾートで1人佇む主人公。荒れ狂いつつある雨や波飛沫が彼の帰りを歓迎してるようにも、また危険だから帰れと促してるようにも。いずれにせよ「浸れる」ラストカット。勿論セレブでもなんでもないオレは主人公側としてその荒涼としたシチュエーションに浸り、作品を顧みる また全編通して不穏かつ甘美なアンビエント系劇伴も印象深い。
もう感覚的に好き。4.5点
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