[コメント] エミリア・ペレス(2024/仏)
男の暴力性と女の慈悲性という対立(転換)構図がいささか単純に過ぎる感はあるが、現代に持ち込まれたギリシャ悲劇的顛末を成立させるには必要な仕掛けで、やはり本作の主題はジェンダーの“超越”などではなく越えようにも越えられない男性性と女性性の“混沌”。
スケール感と華やぎを主眼とするハリウッドスタイルではなく、人物の状況や心情を補完する(ジャック・ドゥミ的)欧州スタイルのミュージカルパートが(それはTV演出的ですらあるのですが)物語の推進力となって奇想と現実の境界を担保して現代のファンタジーを成立させている。面白かったです。
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