[コメント] BAUS 映画から船出した映画館(2024/日)
物語は“大きな歴史”にからめとられることを周到に避けながら“記憶の断片”として90年に及ぶ時の流れをジャンプしながら進む。散りばめられるのは「喪失と誕生」の記憶であり、その因果に捕らわれない奔放さが夢をみているかのような心地よいグルーブを生む。
ニューオリンズの「聖者の行進」と化した井の頭の地の葬列の賑々しさは青山真治による本田拓夫(鈴木慶一)の叔父、父、母、娘への、そして故青山真治に向けた甫木元空監督の鎮魂の葬送の儀であり、終わりとは次の始まりの予感をはらんでいるという示唆でもあるのだろう。
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