[コメント] ザ・ザ・コルダのフェニキア計画(2025/米=独)
父娘のパターナリズム関係を背景にした、昨今はやりの“ディール”と、その裏返しである“暴力”の話だが、当然ウェス・アンダーソンは(私と違って)そんな無粋な理屈を振りかざすことなく、すごろく的移動という映画的な“語り”を推進力に一気呵成に突っ走る。
馬鹿々々しくかつ頑固な様式美が心地よい。
そんな冒頭からの疾走がスカーレット・ヨハンソンからベネディクト・カンバーバッチの逸話あたりで失速するのがもったいない。もっと奇想天外な“ひねり”を期待してしまうという贅沢な減点。
立て続けに新作を公開していたウディ・アレンが、もう撮ら(撮れ)なくなってしまった昨今、数年おきに“型式の力技”でもって楽しませてくれる映画作家はホン・サンスとこのウェス・アンダーソンくらいになってしまいましたね。次回作も楽しみしております。
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