[コメント] 海辺へ行く道(2025/日)
スタンダードサイズに切り切り取られた風景の中、海辺の町の若きクリエーターたちの“ひたむきな純粋”が遭遇する、何か変だが、大して変でもないひと夏の出来事。計算ずくでも、ドタバタでも、脱力系でもなく、日常に滲む“可笑しみ”が滲み出て来る群像コメディ。
横浜聡子が面白いとか可笑しいと思う事象は、日常のなかにありそうもないけど、あるかもしれない小さな違和感。
『いとみち』(2022)という商業映画の成功を経たことで、『ウルトラミラクルラブストーリー』や『りんごのうかの少女』といった初期作品の突発的な破壊衝動が、良い意味で開放・拡散されて横浜オリジナルの“心地よい違和”の集合体となって結実したということだろうか。とは言えこの心地よさは、変態した横浜聡子のひとつの形態なのだろう。持ち味の定型に納まらなさが、次はどんなカタチ(映画)に向かうのかとても楽しみだ。
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