[コメント] ぼくの伯父さんの休暇(1952/仏)
タチの作家性の発揮という点ではまだ若干の不満が残るが、それでも最高の映画には違いない。ボートがまっぷたつに折れてサメになるというくだりの馬鹿馬鹿しさとすっとぼけた感じは、真似しようと思ってもできるものではない。思わず笑ってしまった。
音に関しては既にタチ性が全開になっているが、画面はまだ「普通の映画」に通じるものをかろうじて保っており、そこをユロ氏が右往左往して騒動を引き起こす。その意味では、これはタチの映画というよりもユロ氏の映画だと云ったほうが妥当だと思う(と云っても、それは『ぼくの伯父さん』『プレイタイム』に比べれば、ということに過ぎませんし、第一そんな二分法に意味があるとすればですが)。
そのユロ氏だが、彼の憎めなさときたらちょっと尋常ではない。このキャラクタに先祖があるとすれば、それはやはりバスター・キートンだろう。このキャラクタ性はキートンからユロ氏を経てアントワーヌ・ドワネルに至る、というのが私の勝手な意見。
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