[コメント] ジム・キャリーはMr.ダマー(1994/米)
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本質的に笑いとは皮肉が入っていなければおかしい。そしてそれはあくまで下の者には優しく、上の者には痛烈なものとなるべき…という論評をどこかで読んだ。
前者に関しては同意するが、後者は変だと思う。
ギャグとは全てを笑い者にするからこそ、ギャグとなり得る。上の者をこき下ろし、下の者にはシニカルに、両者ともツボを突いてこその笑いだ。そしてその笑いには自分自身も含まれねばならない。身を捨てる故にこそ、皆が笑える。その代わりとして笑われる方は、消耗していくことになる。強い者を馬鹿にすることで自分が正義の代表のように振る舞う役者や演出家は大嫌いだ。
「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」。この言葉は笑いの世界にこそあって欲しい。
それで何が言いたいか?
ファレリー兄弟作品には、それがうまいこと含まれてると言うこと。全てを笑い者にするからこそ、彼らの作る世界は楽しい。
“ハンディキャップのある人は笑ってはいけない”、“動物を虐待するのは悪いことだ”、“排泄物を用いたギャグは下品”。そんなことは言われるまでもなく分かっている。そしてそれをすることによって、自分自身が馬鹿に思われることも。彼らはそれを知った上でこそ、人を笑わせようと言う姿勢が見られるように思える(買いかぶりすぎ?)。
まあ、確かにやり過ぎの部分があることは認めるし、それに関してちょっと合わないな。と思えるところもある。でも、ある意味それがスパイスとなってるのは確かなんじゃないかな?
それで多彩な表情を持つジム=キャリーと演技派のジェフ=ダニエルズを主役に持ってきたのは正解じゃないか?この二人の掛け合いはほとんどガキそのままだけど、そんなことをやらせたら二人とも本当に上手い。
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