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[コメント] 柔らかい肌(1964/仏)

自分の専門外の事で一つ成功したからといって、その道、恋について得意がって妙な自信が身に付いてしまった男という、旦那の危険な火遊びは、妻の導火線に火をつける。
ジャイアント白田

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







その“妙な自信”。自信とは、相手がいてさらに人と比べて“ナンボ”という言葉。彼は青春を勉学に捧げて遅き春を迎えてしまったのか、種をまく方法を知らなかったみたい。または愛と距離を置いたのか、能動的に教わらなかったみたいだ。それとも、教わったのに錆び付いてしまったのかもしれないが、いずれにせよ、学問一辺倒でのし上がってきた事を証明するかのような、映画祭での長い長い観客をダラけさす演説が存在する。

彼の社会=学問=相対評価の中、彼は今ある彼自身を磨くことを忘れたかのようで、それは夫婦生活のなかの倦怠期における、誰しも起こる、そして全ての男女の身に起こる進化の惰性の苦悩ようだ。「妻よりも若く新鮮」という相対を求めて、愛という絶対を目指さず、典型的な男の妄想に理想を見いだそうとしても、残された道は笑い者という地位が待っているというメッセージを、この素晴らしい映画から感じ取った。

しかし、悲しいかな恐ろしかったが、だからと言って秘境というべき浮気が地上から減る訳でもない…。

恋人に人間性を放棄させてしまう愚かな、妻と愛人を抱き比べた相対好きの男の末路は、衝撃以外に辿り着かない…が、我々は日常で映画のような衝撃をかわすため日夜努力していく。巧く賢く、それも恋を自分を磨きながら。彼のように恋愛音痴、愛情振りまき音痴にはなりたくないものだと思ったけど明日は我が身。この主人公は、浮気(恋)で得たことを独り占めし過ぎたところに落ち度だと思うので、自分はしっかりと“愛”をフィードバック出来るように、千載一遇のチャンスがあれば、気を引き締めて頑張ろうと思う。まずは体力作りと・・・。(失敗経験者より)

2002/12/13

(評価:★5)

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