[コメント] シンドラーのリスト(1993/米)
白と黒、生と死の二言論。しかし、その間にある赤の象徴にスピルバーグの人としての戦争への勝利の姿勢を伺わせる。
白と黒しか無い世界、それは生と死しか無く、無為によって無為がなされる戦争の世界を思い起こさせる。 勝者にとって戦争は生であり征服であり、敗者にとって戦争は死であり屈服なのである。
そんな中でこの映画では白と黒でも無い、赤と言う象徴が存在する。 これはその後死んでいく少女を象徴するモノで、上で私が言った定義では敗者のようであるがそうだとは思わない。
この赤の象徴こそ戦争に対するスピルバーグの作家としての戦争に対する答えだと感じさせられる。
何故ならば、人にとって戦争と言う過ちに勝利すると言う事はその記憶を未来へと継承して行く事だからだ。もちろん、スピルバーグもその事を知っている。
だからこそ、ここでの赤の象徴として表れる死へ向かう少女は死の象徴でありながら見ている者の記憶に生きる。
記憶の中で生きると言う事、それは高々概念的な事に過ぎないが、それこそが人に出来る戦争に対する事への勝利なのだ。
戦争に勝利する事、シンドラーにとってそれは人を一人でも多く救出する事だったであろう、しかしこの作家にとってはこの映画が答えだたのだろう。
傑作!
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