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[コメント] セブン(1995/米)

サイコスリラーという枠組みでくくるよりも映画で表現された一つの芸術作品
おーくらくん

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







たしかに、新婚の新米刑事と退役間近の老年刑事の組み合わせでラストに何が起こるかわかってしまうという点でサイコスリラーとしての評価は低いかもしれない。しかし、たとえば、ケビン・スペイシーを挙げてこの作品を見てみよう。「だれでもない」John Doeという名前を冠した犯人は、捕まることを恐れたのではなくそのアイデンティティーを失うことを望み指紋をも消し去ってしまう(そう解釈しなければ自首してくることに矛盾が生じる)。空でさえも彼が7つの大罪の確信を得るまでは陰鬱とした雨である。綿密に計算され最後の罪が成し遂げられるために彼が出頭した瞬間、満たされない彼を心情を表現して降り続いた雨が止む。サイコスリラーとしてのストーリーではなく、デビット・フィンチャーとキャストが登場人物たちの心情を突き刺さるほど表現したところにこの作品の真の価値があると思う。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)けにろん[*] pom curuze[*]

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