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[コメント] 夜の河(1956/日)

ベタなメロドラマに詩情を添える京都の風俗、風景。衣装考証が上野芳生
Aさの

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ひさしぶりに観たらアレ、こんなに良かったっけ?

山本富士子、当時25歳。よう肥えたはるなぁ。ちゃんと三十過ぎに見えます。もちろん抜群に綺麗なんですが。初っ端から積極的すぎてどうなることかと思いきや、絶対に流され切らないのはあくまで自律した三十女だから。京女ってこういう人を言うんですね。 上原謙がもっと綺麗なイメージだったのに、スクリーンで観るとそうでもない。品が良いから汚らしくはならないんだけど、ちゃんとくたびれてるのね。 主演がこの二人でなければ映画が変わるんだろうなぁ。映画として成立しないかも。

品良くもベタなメロドラマに詩情を添えるのが京都の風俗、風景。50年前はこんなだったんですね。延々と続く町家の瓦屋根の美しいこと。宮川一夫のキャメラが冴えます(と、判ったような事を書いてみたり)。

衣装考証が上野芳生先生。お洒落! もうこの方の衣装を見れただけで満足なんですが。京都文化博物館で≪上野芳生の衣装考証展≫とかやらないかなぁ。やらないだろうなぁ。やろうよキュレーター。蠅の訪問着はやりすぎだけど。

★5でも良いんですが、ラストシーンのデモの意味が判らなかったので‥‥

………

余談ですが、主人公のモデルとされる女性染色家は、現在の和装研究家・木村孝先生。やだ、お孝ったらお転婆!(違う)

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)けにろん[*] ジェリー[*]

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