[コメント] ニュー・シネマ・パラダイス(1988/仏=伊)
素敵な出会いと哀しい別れ、心に残る映画と残らない映画。
昔と今は違うけれど、それは常に継続されている。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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何が彼にとってよかったんだろう。 彼女との別れは絶望的に悪かったのだろうか。 違った将来というのは見ることができないから、なおさらそれが悲劇に見えてしまう。
少年のころからずっと興味を持ち、心打たれ、青春と共にあった映画、映画館。 自然と時が流れると、最も興味心打たれるものは恋愛になるかもしれない。 映画と恋愛、どちらが彼にとって大切だったのだろうか。
絶望的な別れがあったから彼は映画監督として成功したのかもしれない。 もし別れがなければ、彼は恋人に全力投球し、そして幸せな生活を最も大切なものとして育んでいただろう。 映画しか残らなかった彼は、島を出て、映画に打ち込んだ。 そう、彼には恋人もいない。友人もいない。家族もいない。 残ったのは映画だけ。
たくさんの未練が残った彼は、その思いを映画にある意味ぶつけることができたのかもしれない。
最後のシーン。 映画監督として成功した彼は、映画しか見ることができなくなってしまっていた。 その時見た懐かしきカットされた映画のシーン集。 昔の記憶が数十年ぶりに甦ってきた。 友人、恋人、見たかった映画、見れなかった映画、家族、島での生活、青春時代。 忘れようとしてきた昔の思い出が、今、幸せだったと涙が止まらない。 そんな矛盾。 矛盾は人をある意味幸せにしてくれる。
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