[コメント] 名もなく貧しく美しく(1961/日)
フィルムセンターで410円で観た。だが、この映画にはその5倍の料金を払っても惜しくない。[フィルムセンター]
中盤の有名なシーンでは涙ボロボロ、エンドマークが出ると観客の中から拍手が起こっていた。それまで映画館で拍手を聞いたことがなかったので、それにもちょっと感動した。しかし、帰りの電車の中でも余韻に浸ってしまい、再び涙があふれてきてたいへん困った。
この映画は聾唖者の話だが、幾多の困難や搾取に遭いながら、戦後の社会を助け合って生きてきた弱い立場の人間と取れば、聴者にも置き換えることができる。ゆえに決して限られた人々の物語ではない。よって聾唖者ではない普通の人々にも共感できるところが大きい。だからこそ、この映画が広く一般に支持されているのだろう。
主演は高峰秀子であり、クレジットにも彼女の名前が最初に出るが、私は影の主役は夫役の小林桂樹であると思う。妻の高峰秀子が苦労する姿をじっと見つめ、理解し、励ましてきたのは他に誰あろう彼である。高峰秀子はこの作品でサンフランシスコ映画祭主演女優賞他を受賞したが、個人的には小林桂樹にもやりたい気持ちだ。Yasu賞でよければ受け取ってやってください。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。