[コメント] 切腹(1962/日)
侍かっこいい!浪人素敵!なんて馬鹿げたミーハー心を持っていた自分を殴りたい。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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愕然とした。心臓が早鐘を打って最後まで静まりませんでした。構成の上手さで相当引き付けられましたが、やはりそれ以上にこの作品の持つ「憤り」が胸を打ちました。
時代劇を見はじめたのが今年(2008年)に入ってからで、その面白さ・豪快さ・かっこよさに魅了されてきましたが、この作品を観て、本当に自分の無知さ加減を思い知りました。そもそも「竹光」なんていうものも知らず、刀ってあんなにしなるものなの?と不思議に観ていて、岩求女の切腹シーンでなぜこんな・・・どういう事?ととまどいつつ、そこでようやく、まさかアレは竹で出来た刀…?と気づいた大馬鹿者です。
その後の展開はもう驚愕の連続で、観ている者の冒頭の切腹シーンへの思いが逆転する展開は本当に素晴らしい。
そして津雲半四郎の言い分に胸を打たれつつ、それに対する斎藤勘解由の回答があまりに正当すぎて、この世の理不尽さに腹が立つも、どうにもならない現実の前で、私はやはりこの作品と同様、憤る事しか出来なかったのです。
あと、顔が全く違っていて分からなかったんですが、あのミホという娘役が岩下志麻さんだったんですよね?岩求女の亡骸の前で慟哭するシーンは弱すぎず大袈裟すぎず、絶妙なさじ加減の演技で、胸に迫ってきました。
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08.06.20 記
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