何でしょう、この全編に渡っての緊張感、役者たちの迫真の演技、そして…画面から立ち上る熱気は…。

仲代達矢演じる津雲半四郎の「武士道とは、所詮上辺だけを飾るもの」という台詞は、現代にも通じる普遍的なテーマがこめられているようだった。 モノの溢れる現代社会を生きる私たちは、表面だけの美しさやきらびやかさに踊らされてはいないか。

そんなものよりずっとずっと大切にしなければならないもの、それが人間としての「尊厳」だ。 よけいなプライドなどかなぐり捨てて、大切なものを守り通す、ということ。

そういう人に、私もなりたい。