[コメント] 砂の女(1964/日)
人間の本能に内蔵されている安住を求め服従を求めてしまう心と堕落の中に悟りを表面的に見いだしたように見せかける人間の弱さ的強さをまったりと奇をてらった切り込みで見ているわたしの精神に切り込まれてこられたら逃げ出すしか残されていない…のに居心地の良さを終始感じてた。めっさ大好きです、この映画。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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これはモンスター映画。どんな心理描写よりも次元が違う怖さがあり、その怖さが私の脳内で失禁を起こさせた。終わりに訪れる瞬間に恐怖が快感に移り変わる感覚を感じた時は、正直どうしょうもなくケツが重く、椅子から這い上がれなかった。
少し細かく言うと、体制に帰依していく、集団に取り込まれて、無力な自分を認識してから自分を差し出してしまうその姿そのものに恐怖を抱かずして何を抱こうか。ということだ。
不安を抱えている時間が長くなるほどに服従しやすくなっていく人間は全ての人間に当てはまっているので反論の余地がない、その余地がないところにも不気味さを抱かずには居られなく、一人の男の視点がここまで闇を的確に捉えて映像化したことを実感した瞬間に「はっ!」と息をした時に私は『砂の女』に殺されていた。
よく斬れる刀、斬られる側は痛くないというが、まさにそれを体験してしまった気分、感触。気持ち悪くて気分爽快に死ねた。
2003/04/29
2004/12/14再
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