自分が容疑者だったら、金子の声のトーンであの表情の刑事に攻め続けられたら到底耐えられる気がしないとゲンナリさせられもしたが、抗えない魅力がある。

モンタージュ写真が不正確で意味をなしてないから早く回収すべきことを上司に進言する際の台詞まわしもたまらない。 「これはね　重大問題なんだからね　無駄足を踏む捜査員のことも考えてみたらどうかねっ！」 あの表情、声色だからこその味があって、何度も観返したくなる。

なお、岡田裕介がヒモ的テクニックを使って絵沢萠子から金を得るシーンで、引き気味のショットにもかかわらず絵沢に上半身を露出させたり（構図も良い！）、小川真由美が銭湯の公衆電話で電話をするシーンでわざわざ銭湯内の脱衣所と洗い場の両方に複数の裸の女性を入れたショットを用意したりするなど、東映の心意気もしっかりと感じられた。