[コメント] やさしい女(1969/仏)
ドミニク・サンダが学校らしき建物の前の階段で立ち止まり画面外を見やる。次のショットでは教科書類が車へ放り込まれるさまが映し出され、人物が乗り込む様子は音で表される。サンダもフライジャンもこのショットだけでは本人と判別できない。こういった目と耳を刺激させ、画面外をも想像させるカットの積み重ねが画面にただならぬサスペンス性を生み出す。OPや映画館、追突。サンダが摘む白い花の美しさ。
上記に挙げた特徴は他の作品でも見られるようなブレッソンの典型的手法でもあり、特に今更語るようなことでもないのだが、終盤にこの監督では珍しいサンダの特大クローズアップが挿入された際にはとても驚いた。このような顔が画面を埋め尽くすようなアップを他のブレッソン映画では観た記憶が無い。いったい何なのだろう、このアップは。
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