[コメント] エドワールとキャロリーヌ(1951/仏)
ドレスに着替え鏡の前でポーズをとるアンヌ・ヴェルノンの長い手足が美しく、憎めないお気楽若妻という役柄の愛らしさとあいまってキュート。頼りないのか優しいのか分からない夫(ダニエル・ジェラン)との痴話喧嘩の裏テーマはサロン的な俗物風刺だろうか。
そうなると鍵になりそうななのは、パーティーを醒めた目で見ている髭のロシア人給仕と、会場で浮き気味の皮肉屋のアメリカ人事業家なのだが、彼らの位置づけがいまひとつピンとこない。
驚いたのは音楽の使い方。流れるのは劇中でエドワール(ダニエル・ジェラン)が弾くピアノと、キャロリーヌ(アンヌ・ヴェルノン)がBGMとして流すリビングに据えられたラジオから流れる流行歌、そして二人の喧嘩をコミカルにちゃかすようなメトロノームのリズム音だけで、オフスクリーン音楽はなし。これが実に効果的。
あと気になったのは、1時間半の物語のなかで出てくるシーンは、狭い夫婦のアパートの室内と、裕福な叔父の広い家のパーティー会場の2カ所だけ。二幕ものの舞台劇の原作でもあるのだろうか。
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