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[コメント] エドワールとキャロリーヌ(1951/仏)

始まりは、部屋の窓から外の通りを撮ったカット。右にパンニングして屋内を映し、ピアノを弾くエドワール、ダニエル・ジェラン。そのままドリーで移動し、バスルームのキャロリーヌ、アンヌ・ヴェルノンへ。
ゑぎ

ちなみに、ラストカットは開巻と逆の動きで、2人から、左にパンニングして、窓外の通りを映すという円環となる処理だ。カッコいい!

 本作は、2人のアパートの部屋(及び、そのドア外、階段)と、叔父さんの邸宅内、パーティ会場の2場面のみで展開する室内劇。しかし、やっぱりベッケル、カメラの視点は縦横無尽だし、人物の出入りの動きも見事なもんだ。例えば、アパート内の姿見のような鏡を使った演出。二人が自分のルックスを確認するカットが非常に面白いアクセントになる。正面カメラ目線で、云わば、鏡の見た目、鏡の主観ショットのように感じられるのだ。

 あるいは、人物の出し入れのコントロール、繋ぎの流麗さで云うと、叔父の家のピアノを運ぶ配送業者の動き、ロシア人給仕の登場、最初に来る来賓夫婦、米人実業家の夫婦の振る舞い。そして、キャロリーヌの従兄のアランの動き(パーティ会場から2人のアパートへの訪問)などなど。

 そして、やっぱりジャック・ベッケルらしいビンタの応酬というサービスもきっちり決めてくれる。しかも、キャロリーヌは、怒ったあまり、エドワールを噛もうとするというのが可愛い。このシーンのメトロノームの使い方も、なんとも巧妙で感心してしまう。

(評価:★4)

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