[コメント] 肉体の冠(1952/仏)
映画を見終った人むけのレビューです。
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見終わった後にまず感じたことは対比や繰り返しが効果的だったということ。 特に最初のダンスシーンのロランとマンダの対比、逃避先の小屋で目覚めた際にマリーが繰り返すマンダの確認、冒頭と逃避先で繰り返し登場する小船、マンダの刑事手続が進んでいく際に繰り返し登場する馬車がその良い例である。
美しいシーンも多い。 劇中では光に溢れた二人の顔のクローズアップショットが多用されており、二人だけの美しい愛の世界が表現されている。 特に偶然立ち寄った教会で行われていた若い夫婦の結婚式をうっとりと見つめながら突然愛の告白をするシモーヌ・シニョレは非常に美しい。
暗黒街をテーマにした最初期の作品と言われるだけもあって迫力あるシーンもいくつかある。 例を挙げればロランとマンダの決闘シーンとマンダによるルカの殺害シーン。特に前者は手や顔のクローズアップが非常に効果的であり、手に汗握る臨場感を出すのに成功している。
個人的にはマンダの友人役のレイモン・ビュシェールが凄く良かった。友情を第一としそのためなら同僚であろうが上司であろうが国家権力であろうが悠然と立ち向かっていく。レイモン・ビュシェールの洒脱でかつ愛らしい表情がこの役柄に非常に良く合っていたように思う。
ついでながら他のコメンテータの方がビンタネタに言及されてるので私も一言。 肉体の冠ではビンタシーンが数回あるのだが、私が注目したのはクロード・ドーファンのビンタ。特にお金をくすねた部下をビンタするシーンはゾクッとするほどカッコいい。
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